体感! ノンリニアビデオ編集       DV TOPに戻る

                                         2000年5月

コメント;やっとDOS/V機を導入。ビデオはHi8からDVに移行した頃のノンリニア編集物語です。

Windows3.1時代に購入したパソコンもようやく長期支払が済み、今はSSTV専用機としてシャックの傍らで静かに余生を送っています。

I’m sorry --. My computor’s freezed.
I can’t send you my picture.
Anyway thank you very much fine QSO.
Hope CU AGN!

 オペレータは静かではありませんで最近のPCの700MHz程度のスピードに慣れたままこれで運用すると人様の操作にPCが追いつけずついつい凍りつかせてしまうのです。文法がどうのこうのはそっちのけで何度DX局にこの言葉を発したことか。国内局には「ちょっと待って下さい。古いパソコンを使ってますので転送に時間がかかりますので」とある程度喋りながら対応、操作できるのですが、つい海外局には喋れない分、慌てた操作をしてしまうのでした。

   ▲2000年のPCとシャックのラインアップ

 NEC9821互換機で、エプソンが98互換機から手を引いた最後のシリーズ機種です。Win95までは何とかメーカのフォローがありましたがそれ以降はグレードアップする余地はありませんでした。内蔵のHDDもクラッシュし、使えるHDDを探しましたが世の中にはもう売っていませんでした。今はSCSI接続のHDDを取りつけてそれで何とか動いています。ハイテク機器の僅か5年のはかない命でした。

▲現役時代のEPSON PC586RA

 そこで一新。またまた胸が焼けそうな長期ゲップ月賦でPC/AT互換機を購入しました。Win2000が発売された今、決してこのOSの恩恵を漏らさず享受できるハイエンド機種とは言いませんがWin98時代のハイスペックに仕上っています。これで何をやりたいのかというと

「DVノンリニア編集」。今、クラブの行事の時に撮ったビデオを編集して回していますが(回覧の都合でまだ見ていない方も多いかと思います)、これは単なる2台のビデオを使った切り貼り編集。「ノンリニア」は字の如く、直線的ではない切り貼り自由なコンピュータによる編集方法です。

▲代表的な編集画面 ピンクの帯が映像で黄色の帯が音声です。

 最近巷では、ノートPCでのビデオ編集などが話題になっています。デジタルビデオカメラから画像を取り込めるボードは安価なものが出回るようになりました。果してパーソナルコンピュータと呼べるかどうかはわかりませんが上を見ると放送局並の編集がパソコンでもできる時代になりました。

カメラで撮った写真の現像をカメラ屋さんにお願いする時代は終焉(少し大げさですがある程度の写真なら現像や焼増しをする必要がなくなっているという意味です)を迎えようとしています。出版物もまだまだマイナーではありますがWeb上で見られる時代に入りました。本屋さんに置いてもらえるかどうかと、仕上りの程度は別にして個人で製本し、出版することもできないことはありません。

同じようにビデオ編集の世界も個人とセミプロ、プロの境がかなりダブってきています。コンピュータの性能の向上がもたらした結果です。

 さて、手の届かない雲の上の話は別としてパーソナルレベルでのDVノンリニア編集を紹介しましょう。どこまでお金がかけられるかができることを決定します。仕上りの美しさ、機能、スピードがコストに比例します。

美しさの例では例えばTVのニュースやお天気情報の時によく使われるクロマキー。アナウンサーを単一色(肌色の補色に近いブルーがよく使用されます)のバックで撮影しておけば、背景に色んな映像を流し込むことができます。数万円のビデオ編集ソフトなら境目に「ギザ」が発生しますが、10数万円の機能追加ソフトを使うとある程度TVの画像に近くなります。TOSさんの19時前のお天気情報なんかではよく見るとキャスターの髪辺りでいかにもクロマキー、といった画像になる場合があります。完全に「ジャギー」が取りきれていない例です。

 機能面では、ほとんどのビデオキャプチャのハードに機能限定版のソフトが付いてきますが、多くの機能が限定され完全版を手に入れるには数万円の追加出費が必要です。スピード面では、3、40万円のキャプチャカードは例えば人の顔にモザイクを入れることをリアルタイムで実施できますが、5,6万円のカードではリアルタイムの何倍かの時間をかけなければなりません。2,3万円のカードでは加えてその他の幾つかの機能を実現することができません。

 実際に採用した機器は‘99年4月のNEWSに紹介したDVRaptor、ビデオ編集ソフトはMediaStudioPro通常版です。DVRaptorの特徴は何といっても高価なハードウェア(ボード)無で実際の編集後の高画質の映像をPC上でモニタできることです。これはこの機能を既に持っているビデオデッキ側にやらせていることと、ビデオカードのオーバーレイ機能をうまく組合わせて実現させています。どこを基準にすればよいかはまるで判りませんが採用した機器類は入門級の上、としておきますか。

▲DVRaptor入力端子 IEEE1394は右端
 その他は映像・音声アナログ端子・・・DVデッキの機能を利用しPC画面上で映像が見れます


最近のビデオカメラはDVが主流になっています。昔のHi8の価格で出回っています。が、残念なことに私は持っていません。代りにDVデッキにしました。カメラは職場から職員の厚生サービスの一環でいつでも借れますし、Hi8で撮影したものは、デッキに移し変えています。ここで一度画質が劣化しますが、ほとんど見た目にはわかりません。かえって気分的にはよくなった感さえします。(持っていない者の強がり?)従って私の場合、完全なDVノンリニア編集にはなっていません。

 余談ですがこのNEWSの写真類はほとんどDVRaptorの静止画取り込み機能でまかなえるようになりました。結構大きな画像を瞬時に取り込んでくれます。もともと解像度の低い動画を静止画にしたものですから最近のデジカメには遠く及びませんがフォト専用の光沢紙に印刷すればある程度見られる写真になります。

NEWSの写真はにじ滲まないトナー用の紙に滲むインクで印刷していますから見栄えの悪いものに仕上っています。モニタ上で見る写真は結構いけてることだけは付け加えておきましょう。

これまた余談ですが、人間の目は、スロットマシンを好きな位置に確実に止められるような飛び抜けた動体視力を持つ一部の人は別にして非常にごまかされやすくできていまして、1/30秒に1枚(フレームレートといってNTSCのビデオ映像は約30f/sです)の画像自体はそれほどきめ細かくなくても綺麗な映像と感じるのですが、静止画はよほどきめ細かくしないと綺麗な写真とは理解しないような仕組になっています。家庭用のデジタルビデオの画質が向上していますが、1枚1枚の絵は初期の頃の、今では安物のデジカメ程度の解像度でしかありません。

 DVRaptorでまずPCのHDDに映像を取り込みます。DVRaptorにはHDDの 速度測定ソフトが付いていますので目安を測定できます。内蔵の標準的なATA-HDDですが、コマ落ちなく取入れが可能でした。映像用にとりあえず20GBのものを使っています。

2GB/9.5分ですから施す処理にも依りますが一度に30分程度の作品は編集できるものと思います。短いようでもありますが、例えば自分たちで見るならいざ知らず人様の結婚式や人様の子供の入学式なんかをこれ以上見せられたらたまりませんのでこの程度のHDDの容量で1回の編集で済ませる程度が丁度よいのではないかと...。
PC画面にデッキのボタンが表示されますのでデッキ側をさわる必要はありません。特に操作面の小さな、カメラで編集する人には便利です。▼


必要な映像がいくつか揃ったらいよいよ編集です。基本的なノンリニア 編集は表示されたフィルム状の帯をはさみツールで刻んではドラッグして好きな場所に挿入していくだけの単純・明快なものです。フィルムの上部をなぞればそれに従って映像も表示されますので切る部分、挿入する部分を探すことに苦労はありません。

つぎはぎしたら一応仕上りを見ます。編集結果を必要な画像にするために「レンダリング」が始りますが切り貼りだけでは時間はほとんどかかりません。PCモニタとビデオモニタに編集結果が表示されます。

▲左上のピンク色の帯がフィルムです。2つのフィルムが重なった部分に垂直の直線がありますがその部分の映像が小さく表示されています。この例では2つの映像が重なるような処理がされています。右上には様々な効果を付ける見本が表示されています。

 次に特殊効果を付けます。シーンの変り目をフェードイン、フェードアウト してだぶらせたり、紙面では表現が難しいのですが様々な種類のワイプやトランジェント効果が準備されています。ペイントソフトで準備した枠や絵を入れたり、画面を2分割して違う映像を表示したり、アニメを登場させたり、タイトルを入れたり、少なくともTVで見られるような一般的な特殊効果をノウハウの積み重ねに応じて実現できます。

問題はこれを編集後に見ることです。再び効果を施した部分の「レンダリング」が始ります。使用するPCの能力、施す効果に応じここでリアルタイムの何倍かの時間が必要になります。一服の時間です。一般的にはあまり派手な変化は目まぐるし過ぎますのでそんなに効果を多用することもないでしょう。

シーンの移り変り目、タイトル等に使用するだけでは10分のものが1時間になることはまずありません。例えばワイプにしてもせいぜい2,3秒ですのでここが数10秒程度になるだけです。ただし全編に渡って何らかの特殊効果を施したりすると結構な時間になる場合もあることでしょう。プロになると時間の損失は無視できないことは事実で、高価なリアルタイム処理装置が採用されることになります。

 音声は別の音声トラックが表示されていますので、音量の上げ下げ、カット、他のBGMの挿入などの編集は慣れれば簡単に行うことができます。音声だけの編集ソフトに移って高度な編集を行うこともできます。

PCでの編集の最大の長所は一度試しに作ってみて具合が悪かったら何度でもやり直し、修正ができることです。HDDの中で切り貼りや全てのことを行っていますので、最初に採り入れた映像はどう途中で処理をされようとも劣化したり、編集の途中で削除してもなくなることはありません。ずたずたに切り裂いて、一部は捨てて使用したある映像を別の場所では原画通りに使用することはいたって当り前のことになります。「編集」によってまるで違った作品になってしまうのです。ここが「編集」の面白さ、醍醐味のひとつです。

▲クロスフェードと呼ばれる画面の変化です。2つの画面が重なりながら移行します。

▲タイトルの文字は下から上にスクロールしています。画面は3次元的に変化しながら右下に消え、次のシーンに移り変わります。画面の変化は「トランジション効果」の一つです。

 作品が完成したらもちろんそのままカメラやデッキに書き戻すことも できますし、今はやりのDVD作品に仕上げることもできます。必要に応じメールやネット用の小さなファイルで出力することもできます。


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